ブループラネット賞 

今年度の受賞者

受賞者による記念講演会を12月12日(木)に東京大学で、14日(土)に京都大学で開催いたします。公募のお申込みはこちら

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2019年(第28回)

ブライアン・ウォーカー教授

エリック・ランバン教授(ベルギー)
1962年9月23日生れ
ルーヴァン・カトリック大学教授、スタンフォード大学教授・学部長

世界的規模での土地利用の変化、その生態系への影響や土地利用政策の有効性を衛星リモートセンシング技術と独自の時系列解析手法を用いて、土地利用の変化が地球の自然システムへ悪影響を及ぼしていることを早くから指摘した。更に、社会経済データと結び付けて経済活動との関係も明らかにした。これは公共機関や民間企業における森林保護のための土地利用方針に大きな影響を与え、森林認証制度の活用やグリーン購入/調達の推進へ科学的根拠を提供した。グローバル規模での経済活動の持続可能性を改善するため、人々の行動と土地利用の統治管理の促進に大きく貢献した。

グレッチェン・C・デイリー教授

ジャレド・ダイアモンド教授(米国)
1937年9月10日 生れ
カリフォルニア大学ロサンゼルス校地理学部教授、歴史家、作家

代表的な著作である、『銃・病原菌・鉄』、『文明崩壊』、『昨日までの世界』の三部作を通じて提示された論考は、並外れた知的探求の結果生み出された文明論、組織論、社会論を包含し、非常に広範な視野から今日の環境問題の根源を深く洞察し、人類文明史における環境問題の意義を独自の視点から解き明かした。『文明崩壊』では、地球環境問題の主要な論点として12項目を列挙している。環境問題は人類の歴史の基礎であるとして、国や世代を超えて人々の現代文明への意識に働きかけ、人々の価値観を目指すべき次の文明のあり方へと意識を向けさせた功績は高く評価される。

受賞の辞

この権威ある賞を頂き、非常に光栄です。世界中の土地利用の変化に対する理解向上、ならびに持続可能な土地利用を推進する政策の策定・評価改善に努めるうえで、この受賞は一層の励みになります。
同じ研究分野の先輩の方々には大変お世話になりました。私はその方々を手本として精進できました。 また、これまでに私の研究チームに加わった、数多くの有能な若者たちと仕事をする幸運にも恵まれました。この賞は、それら全員の努力を称えるものであります。
土地利用は急速に変化しています。気候変動の軽減、生物多様性損失の修復、生態系サービスの維持、と同時に食料の安全を確保し、そして住む場所への愛着によって地域社会が栄えて行くように、私たちは土地管理を賢明に実践する必要があります。

“Out of the blue” (青天の霹靂)という英語表現は「全く予想外」「青空から落ちる」という意味があります。事実、2019年ブループラネット賞受賞を告げる電話はまさに私にとって“out of the blue”であり、本受賞は二重の“blue”です。
でも、ある意味では、同賞は決して“out of the blue”に訪れたわけではありません。それは私が60年間続けてきた研究、そして歴史、地理、環境の重要さを幼少時にして私に植えつけた生活体験を反映するものだからです。ニューギニアで私が行っている鳥類とヒトの研究は私自身にとって、地球を知るうえでの窓口となっています。これまでに私は約6ヵ国で生活し、地理的な違いが各国の友人の生活を多様に形成する様を目の当たりにしてきました。
日本の姻族を通じて、私は日本と特別なつながりを持っています。妻マリーと私は何度も日本を訪れ、親戚たちの目を通して、また日本の環境がどのようにこの国を形成したかを学びながら、日本への理解を深めてきました。
これらの全ての理由から、私はブループラネット賞の受賞を嬉しく思っています。この賞は、私が人生から学んだもの、また自分が他者に伝え、自らの人生に還元しようと試みてきたものの象徴であります。

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